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共有名義で相続登記をするメリット・デメリットとトラブル防止策
相続人が複数いる場合、不動産の名義を共有にして相続登記を行うケースは少なくありません。
とはいえ、「あとからトラブルにならない?」と不安を感じる方もいらっしゃると思います。
本記事では、共有名義で相続登記を行う際のメリット・デメリットにくわえ、トラブル防止策について解説します。
共有名義で相続登記をするメリット
共有名義で相続登記をするメリットは、以下のとおりです。
公平な相続が可能
共有名義で登記を行えば、各相続人が法定相続分に応じた持分を取得できるため、公平な相続が可能です。
また、遺産分割協議がまとまらない場合の一時的な対応として用いることもできます。
手続きの簡略化
共有名義での相続登記は、遺産分割協議がまとまっていなくても、法定相続分に従って申請できます。
話し合いを待たずに登記を進めることができ、必要書類も比較的少なく済みます。
共有名義で相続登記をするデメリット
共有名義で相続登記をするデメリットは、以下のとおりです。
売却や利用に全員の同意が必要
不動産を売却・賃貸する際は、原則として共有者全員の同意が必要になります。
相続人のうち1人でも反対すれば処分ができないため、活用に制限が生じやすいです。
管理や維持費の負担が不公平になりやすい
共有名義の不動産では、実際に住んでいない共有者にも、原則として固定資産税や修繕費の支払いが求められます。
「使っていないのにお金だけ負担する」という状況に不満が生まれやすく、トラブルの原因になりがちです。
共有名義で起こりやすいトラブルの例
共有名義で起こりやすいトラブルには、以下のようなものがあります。
売却したくてもできない
共有名義の不動産を売却するには、共有者全員の合意が必要です。
相続人のうち一人でも「売りたくない」と主張すれば、手続きは進められません。
費用の負担で相続人間の関係が悪化
遺産の共有者は、実際に不動産を利用していない場合でも、原則として修繕費や固定資産税などの負担を求められます。
「住んでもいないのに支払いだけ求められる」という状況に相続人が不満を持ち、トラブルに発展することがあります。
トラブル防止策
共有名義で起こりやすいトラブルの防止策は、以下のとおりです。
遺産分割協議による単独名義化
遺産分割協議の段階で不動産の名義を一人にまとめておけば、将来的なトラブルを防止しやすくなります。
たとえば、不動産を相続人のうち一人が単独で相続し、他の相続人は代償金などを受け取るといった調整方法があります。
遺言書の作成
被相続人が生前に遺言書を作成しておけば、不動産の相続先を明確にできます。
公正証書遺言を活用すれば、遺言の内容をめぐる争いも避けやすく、相続手続きが円滑に進みやすいです。
まとめ
共有名義での相続登記は手続きが早い反面、共有者間のトラブルが起きやすい側面もあります。
「このままでいいのか不安」「共有状態を整理したい」とお考えの方は、当事務所までご相談ください。
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