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増資をするメリット・デメリットと登記をするときの手順
会社が事業拡大を目指すとき、資金調達の方法として検討されるのが増資です。
出資を受けて資本金を増やすことで、財務基盤が強化され、金融機関からの信用力向上にもつながります。
一方で、出資者が増えることで経営権のバランスが変わるなど、注意すべき点も少なくありません。
今回は、増資のメリット・デメリットを整理したうえで、登記をするときの手順を解説いたします。
増資のメリット
増資には以下のようなメリットがあります。
- 返済義務のない資金を調達できる
- 対外的な信用力が高まりやすい
- 自己資本比率が改善しやすい
銀行借入のように負債が増えるわけではなく、新しく払い込まれたお金は資本金や資本準備金として純資産に計上されます。
増資のデメリット
一方で、増資には見落としがちな負担もあります。
- 税負担が重くなる可能性がある
- 経営権のバランスに影響が出る
資本金が1000万円以上になると、原則として消費税の免税事業者ではなくなり、翌事業年度以降は消費税の納税義務が発生します。
また、出資者を新たに受け入れる形での増資の場合、既存株主の持ち株比率が下がり、経営権のバランスが変わる可能性がある点にも注意が必要です。
増資の登記を行うときの具体的な手順
実際に増資を行う場合、以下のような流れになります。
①内容を決める
②社内で正式決定する
③お金を払い込んでもらう
④登記をする
⑤官庁への届出を行う
それぞれ確認していきましょう。
①内容を決める
発行株式数や募集方法など、どのような条件で株式を発行するのかを決めます。
発行可能株式総数を超えていないか、また適正価格の株式発行になっているかなど、会社法上の制限に抵触しないかの確認も必要です。
②社内で正式決定する
増資内容を固めたら、株主総会または、取締役会を開き、決議を行う必要があります。
決議の方法が株主総会なのか取締役会、どちらになるのかは会社の定款によって異なります。
この決議が適切に行われていないと、後の登記が受理されない可能性もあるため注意が必要です。
③お金を払い込んでもらう
増資が決まったら、株式を引き受けるひとは、定められた払込期日までに出資金を払い込みます。
払い込みが完了すると、会社は通帳のコピーなどの払込証明となる資料を保管しておく必要があります。
④登記をする
払い込みが完了した時点で増資は法的に成立しますが、資本金額や発行済株式総数の変更は登記事項であるため、法務局への変更登記が必要です。
登記申請期限は、増資の効力発生から2週間以内です。
⑤官庁への届出を行う
増資後は、登記以外にも提出が必要となる届出があります。
税務・行政上の取り扱いに影響するため、漏れのないよう確認することが重要です。
まとめ
増資は、会社の体力を高める有効な手段ですが、メリットとデメリットの双方を理解したうえで進めることが欠かせません。
返済不要の資金を確保でき信用力の向上にもつながる一方で、税負担が増えたり、手続きに時間や費用がかかったりする側面もあります。
不安がある場合は、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
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